昨年からバタバタとすることが多くて、大好きな読書時間を持とうとすると猛烈な眠気に襲われる日々がずっと続いていました。
でも、読みたい本はたくさ~んあって、読書欲はフツフツと沸き上がるばかり。
今年こそは読むぞ~と意気込んでいたのに、気づくともう1月も終わりそう。
意を決して図書館へ。
かなり前にInstagramで紹介されているのを拝見し、是非読みたいと予約したのに、読めずじまいだったこの本を再び借りて一気読み。
商店街に昭和の時代からお店を構える「喫茶おおどけい」。
その喫茶店には、悩みを抱えたいろんなお客さんがいざなわれてやって来ます。
老店主ハツ子さんと孫のハヤテくんの二人の温かな接客に後押しされて、悩みを打ち明けると・・・
お店の大時計の鐘が鳴り、店内の時が昭和時代へとタイムスリップ。
喫茶メニューと大時計がつなぐ過去に触れることで、悩みを抱えたお客さんたちが今の自分が進む方向を見出していく心温まる5つの物語。
内山純さんは、初読みの作家さんでしたが・・・
物語に登場する育児に悩む女性や介護に翻弄される女性のお話は実体験も入っているそうで、とても親近感を持ちました。
特に育児に悩む女性のお話は、同じように悩んでいた私を当時にタイムスリップさせてくれました。
この先、長文の私の思い出話になりますので、お時間があればおつきあい頂けたら幸いです。
息子の子育ての思い出話。
もう30年以上も前のことになります。
育児指導する立場の保健師だった私の初めての子育ては、学んだ通りにはいかないことだらけで、育児に悩む日々でした。
特に悩んだのは、授乳と夜泣き。
授乳間隔は必ず3時間おきと助産師さんから退院指導を受けたし、学校でもそのように学んだけど・・・
息子に母乳を飲ませても1時間もたたず大泣きするばかり。
母乳が足りないんだと、仕方なくミルクを足していたら・・・
保健師の上司から近況を尋ねる電話がありました。
ミルクを足している旨を伝えると、「保健師がミルクを与えるなんてありえない、頑張って完全母乳で育てなさい」と𠮟咤激励され、罪悪感にさいなまれる日々。
夜泣きも激しくて、眠れない日々が続いても、産休中の私をうらやむ多忙な夫さんの協力はなく、育児ノイローゼ寸前状態。
そんな時、保健師の先輩が遊びに来てくれて、悩みを打ち明けると・・・
この本を読んだら楽になるよと「おっぱいだより集」という本をタイムリーにプレゼントしてくれました。
ページをめくる度に肩の荷がどんどん下りてくるのを痛感し、涙で顔がぐじゃぐじゃに。
授乳間隔は3時間おきなんていう周りの雑音を気にせず、泣く度におっぱいを飲ませばいい、なんならずっと吸わせっぱなしでもいい、そのうち母乳の出もよくなるというような内容は目からうろこで衝撃でした。
その通りにすると・・・
母乳に出もよくなり、その後は母乳だけで育てることができました。
そして、夫さんにはしんどさを爆発させ、1日だけ子どもを見てもらってお出かけするようにとのアドバイスを頂き、即実行。
数時間でギブアップの夫さん、その後は育児にとても協力的になりました。
この先輩とは今でも仲良くしてもらって一緒にお出かけしたりしてますが、このご恩は一生忘れません。
それにしても、思い通りにいかない子育てを経験できたことで、親としてだけでなく保健師としても大きく成長させて頂き、今となってはいい思い出です。
そうそう・・・
この本の中に出てくる老店主ハツ子さんのことばも、育児に悩むママにはたまらないと思います。
「出産したからってすぐに母になるわけじゃない。ごく普通の女性が試行錯誤しながら子供と付き合っていくうちに、だんだんにそれらしきもになっていくだけ」
「そもそも育児なんて、マニュアルのないぐしゃぐしゃなものなんだから」
「ぐしゃぐしゃでも、まったく問題ないわ。なにしろ、地球に来たての宇宙人みたいなのを相手にしているんですもの」
レトロ喫茶店おおどけい、近所にあるなら毎日でも通いたくなりそうです。
久々の読書に、第2弾が出てほしいと思えるような本と出会えてHappy♪
最後まで読んで下さり、ありがとうございます♡
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