「空と風と時と」小田和正の世界♪


オフコース時代から小田さんの歌声が好きでよく聴いていたけれど・・・
毎年家族で参戦している「靱公園MUSIC FESTA FM COCOLO 風のハミング」にゲストで来た時の生歌のすばらしさ・ファン対応のすばらしさ(土砂降りの中、観客だけを豪雨にさらすのは忍びないと小田さんだけが屋根のあるステージから降りて客席を回られました)に感動し、大ファンになりました♡
なので、この本を図書館で見つけた時は、ぜひ読んでみたいと思いました。

著者は2022年~2023年の全国ツアーの全工程に同行し、ツアーコラムを挟みながら・・・
約20年にもおよぶ年月をかけて、小田さんの幼少期から現在までの音楽人生を、本人はもとより、親族・友人・元オフコースのメンバーはじめ多くの音楽関係者の証言から紡いだ物語です。
小田さんのことを知らなさ過ぎる私は、感動・驚きの連続でした~

一番感動したのは・・・
著者が2005年に取材した際に「人生で大きな出来事と思うことを三つあげてください」と質問した時に、小田さんは答えの一つとして、「母親と出会ったこと」と言ったこと。
今回の新たな取材で、小田さんのお兄さんにこの逸話を話したところ、「俺たち兄弟さ、銀河のどこかから誰のところに生まれようかと言って、あの人を選んで生まれてきたんだよ」と言われたそうです。
そんなことを言われるような素敵なお母さんは、和歌山のご出身だそうで、私と同じ関西人であることにびっくりするやらうれしいやら。

オフコースとして活動しながら、なぜ畑違いの東北大学工学部建築学科・早稲田大学大学院理工学研究科にすすみ、5年もかけて修士論文を書いたのかとても気になっていたのですが・・・
この本を読んで納得しました。
そうそう・・・
滋賀県の「ラ コリーナ近江八幡」・岐阜県の「多治見市モザイクタイルミュージアム」など自然素材と人工物を一体化させた建築で有名な藤森照信さんが、東北大学工学部建築学科で小田さんと同級生だったことにもびっくり!!
藤森さんいわく、小田さんは当時からひときわ異彩を放っていたようです。

穏やかそうに見える小田さん、車の運転はかなり乱暴で、ややスピード狂のきらいがあることにもびっくり!!

60曲もの歌詞を引用し、それらが作られた背景が書かれているのですが・・・
そうだったんだ~と驚くことばかり。
改めて歌詞を味わいながら聴きなおしてみたいと思いました。
タイムリーに、8月3日(土)20時~BSフジで「輝き続けるオフコース」と題した番組があり、1982年の伝説のコンサート(日本のコンサート史上初となる日本武道館10日間公演を成功させた)の映像がたっぷりと使用されるそうなので、今から楽しみ♪

最年長全国アリーナツアーにトータル45万人を動員した偉大な小田さんですが・・・
ツアーに同行した著者が、「全国ツアーが終わって特に何が印象に残っているか」と訊ねると・・・
「お客さんが貴重な時間を使って、お金を使って、あんなにたくさん・・・しかもすごく喜んでくれて、毎回びっくりした」と答えた小田さん。
「びっくりするんですか?」とさらに訊くと、「当たり前だとは一回も思えない」と答えた小田さん。
決しておごることはなく常に謙虚で努力を惜しまない小田さんはほんと素敵♡

600ページを超える本書を通して・・・
ストイックなまでに自分の音楽を追求し、決して器用とも順調ともいえなかった小田さんの音楽人生を詳しく知ることができて、遠い存在の小田さんがほんの少しだけ身近に感じられました。

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